ダンスワークショップ「これからダンスを学びたいと思っている人のために」
STEP1・ダンスの基本。 佐藤 亜紀
これからダンスを勉強してみたいなと思っている人。または、もうすでにダンスの教室に通っている人。踊りを踊って生活している人。ダンスを教えて先生とよばれている人。踊りを創作して発表している人。クラッシックバレエ・モダンダンス・ジャズダンス・タップダンス・ヒップホップ・舞踏・日本舞踊やフラメンコ等の民族舞踊・・・世界中に踊りの世界と関わりのある人はたくさんいます。また自分で踊らなくても、ダンスを見るのが好きな人。あんまり感心はないけど、TVや映画の中で見たことくらいはある人。踊りなんて女や子供のやることだ。とか思っているお父さんまで、人と生まれて、踊りを見たこともやったこともない人は、まずいないでしょう。昔ヨーロッパで生まれたクラッシックバレエは見たことがなくても、古代から生活の中に、踊りが欠かせない文化になっている民族はたくさんいますし、日本人なら誰だって幼稚園でお遊戯や、盆踊りくらいは踊ったことがあるはずです。昔々、人類にまだ言葉がなかったころから、人は踊りを踊っていました。収穫のときは喜びの踊り、愛する人が死んだときは悲しみの踊り、狩に出るときは戦いの踊り・・・踊りは人間の生活・心と共にあったのです。人はみんな踊りが好きなはずです。プロフェッショナルのダンサーの人たちに、なぜ踊っているのですか?と聞けば、まずたいていの人は踊りが好きだから、と答えるはずです。そこでダンスの基本その①は「踊りが好きなこと」。これは、実は「恋人や友達が好き」というのと同じことで、どのくらい好きなのか、という問題があって、チョッとカッコいいから好き、というのから、あの人のためなら死んでもいいくらい好き、というように、様々な段階がある訳ですが、これは実はとても単純で、「ダンスがチョッと好き」な人はすぐにやめてしまうでしょうし、「とっても好き」な人は、長く続けるでしょうし、「死ぬほど好き」な人は、もしかしたら一生ダンスを続けていくでしょう。というのは、これから楽しくダンスを習ってみようかな。と思っている人を脅かす訳ではありませんが、ダンスを勉強して、それを知れば知るほど、だんだん大変になってきて、ずっと続けていくのは並たいていの努力ではないからです。これは山登りと同じで、もちろん、音楽や文学、美術やその他いろいろなことは全てそうでしょう。でも「ダンスがチョッと好き」な人も、やっているうちに「死ぬほど好き」になることもあるのです。だから、とにかく、踊ることが好きだという気持ちが一番なのです。
さて、心構えが出来たところで、ダンスの基本その②「心のおもむくまま、好きな様に身体を動かしてみる」。 皆さんは、一才くらいのヨチヨチ歩きの赤ちゃんが、音楽やリズムにあわせて、いろいろと身体を動かしたりしているのを見たことがあるでしょう。今は忘れているけれど、どんな人でも赤ちゃんの時は、踊っていたのです。成長するにつれて、恥ずかしいとか、出来ない、カッコ悪いとかいうマイナスの心が芽ばえて、踊らなくなっただけなのです。心を赤ちゃんの様に自由に純粋にして、身体を動かしてみましょう。そして、自分の心の中のダンスの扉を開けてみてください。
ダンスの基本
① 踊りが好き。
② 心を自由にして、身体を動かしてみる。